2月12日金曜日の夜10:00~、ワンダーシード2016はTAGBOATによるオンライン販売が始まっています。販売点数全84点、全ての作品が53×53cm以内、販売価格は3,000円〜40,000円までのサイズも価格もお手頃な展覧会です。実物を観てみたい、という方はトーキョーワンダーサイト渋谷で展示されていますのでぜひそちらに足をお運び下さい。
さて、ワンダーシード2016ですがもう10年以上続いている割と歴史ある公募展です。タグボートも登場当時はオンラインで絵が売れるのか!?などと言われていましたが、というか主に我々絵を描く人達がそう言っていたのですが、設立からもうそろそろ10年が経つのではないでしょうか。オンラインで売れるのですね。
日本では絵が売れないとは良く言われますが、ワンダーシードはまだ売れてる印象が有ります。サイズも価格も手頃だからでしょう。先日の内覧会でも結構なペースで売約となっていってました。
ならば販売を担当しているタグボートにとって、毎年有るワンダーシードという企画は儲かるのか?そのあたりどうなのでしょう。
作品が売れた場合、売上の配分は作家6:タグボート4です。絵の平均価格23,000円(税抜)を前提で考えるとTAGBOATの販売コストと利益はざくっと下記のような感じでしょうか?
まず販売コストがWEBページの作成費用です。
のページ作成費が1万円、
×84作品分のページ作成費(@1000円で計算)で8.4万円、あとは各作品の写真撮影と画像調整で10万円で計算します。小計19.4万円です。
次に絵が売れる毎の事務経費、発送経費を@1000円とします。
84点全て売約で売上195万円、粗利は78万円です。
全ての作品が売れれば(諸々のコストをかなり安く見積もってますが)50万円弱くらいがタグボートに残る計算でしょうか。もちろん、全て売れれば、という前提なので売れるのが半分の42点であれば大体15万円くらいが営業利益になる計算です。2月27日現在の売行は41点売約、ちょうど半分くらいです。
これを利益が出ていると見るか、出ていないと見るかは企業規模に依るでしょう。大企業なら「この数字じゃ利益とカウントしないよ。てか全然ケタが足りないよね?」でしょうし、社員数50人くらいの中小企業で「来年は売上増のために企画を練らないと…」となり、4〜5人の企業なら「何としてでも今の利益をキープしたい!」という風に変化します。
この事から察するに、タグボートももう少し売上と利益が欲しいなぁ、と思っているのではないかと思います。解決方法は二つしか有りません。
「販売単価を上げる」か「ニーズのある絵を販売する」かのどちらかです。単価を上げるには短期的には絵のサイズを大きくすると手っ取り早いです。15×20cmとか小さなサイズではなく規定の53×53cmに極力近い絵を作家に描いてもらう、という事です。大きくなると売れにくいけど。中、長期的にはセカンダリーマーケットを充実させ作品の経済的価値を担保させる方法が挙げられます。もしくは円安などの外的要因によってインフレ、または景気が良くなるのを待つか。黒田さんが頼りのまさに他力本願です。
「ニーズのある絵」というのは思わず部屋に飾りたくなるような綺麗でおしゃれな絵、という事です。利益は出るでしょうが、トコトコ歩いて来た本末がその辺で転倒するのを見る事になりかねません。
そもそもタグボート自体が「芸術、アート」が「市場経済」のほうに歩み寄った販売形態である以上、上記のようなジレンマを抱えざるを得ないのです。ある程度エスタブリッシュメントな「商品」を「文化って素敵よね」と言ってくださるより多くの人に届けようとすると必ずこのジレンマが顔を出します。「芸術、アート」の純度を高めれば絵が売れず、「利益を最大化」させようとすればニーズに迎合して表現が画一化してしまう。上からですいませんがタグボートはこの辺のバランスはまだ上手いような気もします。
このジレンマを避ける方法はただ一つです。販売制度の設計時点で「市場経済」のシステムを「芸術、アート」用に部分的にカスタマイズする事、つまり、「市場経済」のほうにもう少し「芸術、アート」側に歩み寄ってもらうのです。
「偉そうに講釈垂れんなら公募展なんか出すなや!」とか「何ゆっとんかわからん!」「そんなん言うなら自分の絵をタグボートで販売すんなや!」などと言う声が聞こえてきそうですね。
そこで。そこでです。アーティストが運営するギャラリー、大阪は船場にオープンです!まだホームページなど作りかけですが… HP:galerie-tzigane.com
オープンしょっぱなの展示はもちろん『前田大介展』です。
みなさま3月はぜひぜひ、東京ではワンダーシード2016、大阪ではギャラリーチガーヌにお越し下さい。




