DAISUKE MAEDA

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2016年12月の投稿一覧

シェル美術賞展を観に行こう!前編

以前にも書きましたが、シェル美術賞で奨励賞を頂きました。東京では12/7から国立新美術館でシェル美術賞展がはじまってます。

シェル美術賞は今年でちょうど60周年、歴史のある公募展です。2000年以降もこのコンペをきっかけに国内外から注目され有名になったアーティストが何人かいらっしゃいます。一例をあげると大谷有花さん鈴木紗也香さん上田暁子さん、その中で個人的に面白いと思う作家さんは小野さおりさんなどでしょうか。しかし何といっても最も有名な世界的アーティストと言えば2001年に大賞をとった曽谷朝絵さんじゃないでしょうか。バスタブの絵が有名です。今回はこのコンペの審査員もされています。

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2001年当時の時代背景を説明しますと、村上隆さんや会田誠さんなどがサブカルチャーの言語を以って文化的にもアメリカの植民地から抜け出せない、またそのことにすら無自覚で自身の出自や歪みに対して言及できない日本の文化を嘲笑するようなコンセプチャルな作品が注目を集めていました。まだ学生だった私はその乾いたシニカルなスタンスに強く惹かれていました。それは暗に現代の日本の「絵画」を否定しているように思え、なぜかそれに憧れたのです。そんな私にまったく異なる「絵画」の強さと可能性を見せつけたのが曽谷さんの作品でした。「こんな絵を描く人がおるんか。。。」と思ったのを鮮烈に覚えています。その曽谷さんがレセプションにやってくる!ぜひお会いして話がしたい!と半ば興奮気味に東京に向かいました。

東京は何度訪れても都市の密度やお金の匂い、ソフトの相違に驚かされます。何か都市のOSが違うというか。。。そういえば東京都だけでG20であるサウジアラビアやインドネシアなんかと同じくらいの都内総生産が有ると聞いた事があります。今回は乃木坂駅から国立新美術館に入ろうとしたのですが、まさか駅直結だったとは。「美術館と駅がつながっとるってどういうことなん!めっちゃ便利!雨濡れへん!」と当日は快晴でしたが思わず呟きながら国立新美術館に入りました。

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国立新美術館は何度来てもその巨大で古めかしい出立が故・黒川紀章とモダニズムの墓標のように見えて仕方がありません。もっと他の案あったやろ。まさか殉死した乃木大将が元になっている地名を冠したアイドルまでいるポストモダンさえ通過したこの時代、その乃木坂にこんな思いっきりモダニズムな建築があるなんてどこか分裂症な気もします。修飾語だって複雑に入り組みます。

さて、レセプションは今回の大賞をとった小川直樹さんの完璧な受賞の挨拶とスピーチではじまりました。めちゃくちゃ上手かったのでその後にしゃべる私は正直ものすごく焦りました。作品の講評では曽谷さんも話をされ、一人で完結する事が出来る絵画は、作者と作品の間で交わされる戸惑いや解決、試行錯誤の後が透けて見える事がメディアとしての強みである、というような事をおっしゃっていました。確かに曽谷さんの作品にも、曽谷さんが審査員賞に選ばれた鈴木浩之さんの「無題」という作品にもそういった面は強く見て取れます。鈴木さんの作品は写真より圧倒的に実物の方が良いですよ。写真ではわかりませんが実物は絵具の下の層が透けて見えていたり、線に息づかいが感じ取れたりします。

レセプションの後は別フロアでやっている「DOMANI•明日展」の内覧会に入れていただくことができ、そこで出展されている曽谷さんと少しお話しさせていただくことが出来ました。一線で活躍されているアーティストの言葉は鋭く重みがあり、自分はもっと真剣に制作に向き合わないといけないと思わされました。プレスの対応でお忙しい中お話下さった事がうれしかったです。

しかし、私は我慢が効かず不躾にも言ってしまうのです。「サインください。。。」本当に失礼しました!けどうれしかったです!

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意外にも短いですが、シェル美術賞展は国立新美術館で19日までです!まだの方はぜひ大急ぎで観に行ってください!

 

扇風機はそのうち片付けます

私が運営に関わる船場のギャラリー、チガーヌの11月23日~12月5日の展示は版画家の松谷愽子さんです。

チガーヌは展示が変わる度にお店の雰囲気も大きく変わります。今回はモノクロの作品なのでお店の雰囲気も落ち着いたものとなりました。

 

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そして売り上げは!

 

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赤いマルのシールは売約済であることを示しています。ギャラリーに出入りされる方はそんなことご存知だとは思うのですが、どうしても言いたくて書きました。赤マルは売約済みです。そして12/5現在、まだ数点が交渉中です。大きいの売れて!と願わずにはおれません。

 

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「ギャラリーの売上としてはまだまだだよね」当然そうおっしゃる方もいらっしゃるでしょう。しかし、チガーヌは完全なホワイトキューブではありません。お昼はランチもやっていますし、夜はお酒も出します。絵を見に来たお客さんが、ランチorお茶をしていくことでも売上は上がります。また夕方ごろに絵を見にやって来たお客さんがライブの準備をしている様子をみて「ジャズの生演奏とかあるんなら見ていこうかな。。。」となります。そうなるとチャージ+お酒が売れます。

また逆のパターンでランチの常連さんが展示されてる絵に興味を持ってくれたり、ジャズの生演奏に興味を持ってくれたりするのです。ジャズの出演者の方が絵を買ってくれることもあります。そうして3つの全く別な商品が相互補完的に売上を伸ばしていく事が出来るのです。なんと美しい収益構造!ここの経営者は中々商売上手やな!と自画自賛です。

また展示してる作家さんがお茶してたり、お酒を飲んでたりすることが多いので展示作品に興味を持った方は気軽に作家さんに色々聞くことができ、それも好評ですね。

飲み食いする空間の中に絵があるということは、自分の部屋に飾って生活の中で眺めるイメージが湧きやすいのかもしれません。そしてそれは、動産としての絵画の価値からは切り離された、原初的、根源的な絵画の価値に触れる瞬間でもあると思うのです。