DAISUKE MAEDA

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2017年8月の投稿一覧

8月15日

毎年この時期になると、NHKやBSで戦争の時のドキュメンタリーをやっています。戦地から生きて帰った人のインタビューとか、特攻の映像とかを見るとほんの70年前の出来事とは思えません。「兵隊を特攻させるくらいならもう降伏しよう」とはならなかったんですね。

戦争中は、少しでも国の政策に反対すると非国民と罵られたそうですが、それがどんな状況なのか、現代で暮らす私としては上手く想像する事すら出来ません。

戦争が始まる前、世間が不穏な空気に包まれ始めたその時に、誰かが「ちょっとおかしいんじゃない?」とか「それは違うと思う」と違和感を口にし、それを周りが真摯に受け止めていれば、その後の展開は少し変わったものになっていたかも知れません。

いつでも、誰でも気軽に「それは違う」と言える社会の柔軟性が民主主義の根幹であり、その上に芸術やアートと言ったものが乗っかっています。しかし日本の社会や会社、学校は年功序列もある上に同調圧力も強いので、「それは違う」というのも中々一苦労です。戦中から続く、日本の風習、慣習の悪い面が呪縛のように今も続いているのかも知れません。

画像は藤田嗣治の「アッツ島玉砕」という作品です。

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戦意高揚の為の「勇猛果敢な戦地の兵隊」という幻想を描かず、目の前の生々しい現実を描いたため軍部から「これはどうなんよ?」と言われ、戦後は戦争画に加担したと社会から非難され、まわりに同調しなかった為についには日本を捨てる事になった画家です。その時の場の空気に沿ってしか発言できない人間ばかりで、日本に愛想が尽きたのかも知れません。

敗戦から70年、私はスプラトゥーンでしか銃を撃つ事はありません。70年で藤田の絵と比べ爆発的に彩度が上がりました。

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いい年の大人がゲームで銃を撃っていると、お前は遊んでばっかりだとかもっと頑張って働けとか非難されがちですが、そうして過ごせる社会は、誰が何と言おうとも(兵隊が戦地で銃を撃っていた昔よりは)良い社会だと思います。藤田の作品との色彩のコントラストが凄まじいです。これから灰色の時代に逆行しないことを強く願います。