スズキの軽自動車、ジムニーが20年ぶりにフルモデルチェンジするそうです。
若い人は「車の話は興味がないわー」と思うかも知れませんが、我慢して読み進めて見てください。
ジムニーは本格的なオフロード車として評価の高い車ですが、アメリカのJeep Wranglerと比べるとエンジンの排気量は1/5、サイズは3/4、重量は半分以下と格段に小さな車です。ジムニーは日本独自の「軽自動車」という規格で、それは世界のどの車と比べても、パワーもサイズも最小の規格です。
しかし、ジムニーは小さいが故の軽量性と、それに見合わない本格的な車の作りで、パワーがなくとも悪路をがんがん走破できる車として昔から人気があります。
私が初めてこの車の事を知ったのは2009年、「飽和した世界のためのデザイン」という展覧会の記録をまとめた本の中でした。
いたずらにパワーを上げて走破性を高めるのではなく、最適な重量、サイズとパワーの関数の中で大きな車にも負けない走破性を実現する、という日本的なアプローチの車として紹介されていました。
私は現在、会社の仕事で軽自動車に乗りますが、大阪梅田や難波のややこしい道、細い道では、小さな軽自動車は運転しやすく、あれだけ車の多い道でもUターンや縦列駐車も簡単で、日本の道路事情に合った規格だなぁといつも関心しています。
昔ペーパードライバーだった頃は全く車に興味が無かったのですが、今のように毎日運転するようになると運転自体が面白く、そうなってくるとスポーツカーというジャンルにも興味が出てきます。
若い人は「スポーツカーなんてもっと興味がないわー」と思うかも知れませんが、我慢してもう少し読み進めてください。
いつか買えるといいなと思っている車はトヨタの「86」という車です。
こちらもスポーツカーとしては車体は小さく、パワーに関しては「非力」と揶揄されるような車で、最新のハイテク機器も装備されていません。外国のスポーツカーに見られるような公道上ではほとんど使えないほどの強力なエンジンや、レーシングカーばりの高機能を追求するのではなく、30年前からあるクラッシックなアイディアを用いて、運転する事•走る事そのものの楽しさにフォーカスした車です。
日本より海外での評価が高い車で、「まるでポルシェのケイマンのようなすばらしい車」という試乗記(*記事の中のBRZと86は、外見と細部が少し違うだけの同型車です。)も見かけるほどです。発売翌年の2013年には「2013 WCA(ワールド・カーアワード)」のイヤーカー受賞候補車に残っています。他の候補車が4000万円以上する事を考えると、250〜300万円程で買えるこの車の評価の高さが伺い知れます。
運転の楽しさなんて分からんわーと言う人はこの動画をどうぞ。めっちゃ楽しそうですね。
さて、フランスでは先日、2040年までにガソリン車の製造を0にする、と発表があったそうです。となるとこれからの自動車は電気自動車がメインになるのでしょうか。それだけ環境に配慮しないといけない状況になってきている、という事でしょうか。
日本では日産が電気自動車に力を入れています。日産はフランス•ルノー傘下なので、電気に力を入れているのかもしれません。余談ですが、私は日産の車だけは買わないと決めています。それは三菱自動車に対して、まるで投資銀行がするかのような買収を行ったからです。自動車会社が自動車会社を買収する。すごくフランスっぽいなぁと思います。
しかし一方で、車を維持していくという事は所有者だけでなく、社会全体にコストが掛かります。車から排出される二酸化炭素だけでなく、森林を切り開いて道路を整備したり、広大な工場を作ったり。その上、交通事故での死亡者や負傷者も(通常の経済学では換算されませんが)自動車を維持していく為の社会的コストと捉える考え方もあります。
「経済の未来(以文社)」という本の中で、興味深い話が出ていたので以下に引用します。『ある国の大統領のもとへある者がやってきて、次のような取引を持ち出した。「貴国の経済は調子が悪いですな。私が立て直して見せましょう。そのために最新技術をお譲りしましょう。するとGDPはいっきに2倍になりますぞ。ただその代わりに、貴国の人口から毎年2万人の命をもらいたいのですがね」これを聞いた大統領はうろたえ、申し出を拒否した。拒否するのが当然であろう。彼が拒否した最新技術の発明とは、自動車の事である。』
ジムニーや86のように車のサイズを環境に対して最適化する事で、これからの時代に対応していけるのか、それとも根本から動力の見直しという大きな転換を、日本の自動車産業は強いられるのか。
どうやら大転換を強いられそうですが、そのあたりは後編に続きます。



